広島は１５日、今季限りで阪神の２軍育成コーチを退団した球団ＯＢの高橋建氏（５２）が投手コーチに就任することを発表した。ケンさんの愛称で人気の高い通算７０勝左腕がスーツ姿でマツダスタジアムでの会見に臨み、１２年ぶりの広島に復帰を喜んだ。

「またカープのユニホームを着れるんだなと喜びを感じています。プロとして初めて着たのが赤いユニホーム。また袖を通すということで身の引き締まる思いです」

横浜高、拓大、トヨタ自動車を経て、１９９５年にドラフト４位で広島に入団した。１年目に３９試合に登板し、２００１年には自己最多の１０勝を挙げた。１４年間先発と中継ぎで活躍後、２００９年に海を渡り、メッツで日本人史上最年長の４０歳でメジャーデビューを果たした。翌１０年に広島に復帰し、その年に現役引退した。

ＮＰＢ通算４５９試合に登板し、７０勝９２敗５セーブ、防御率４・３３。メジャー通算２８試合に登板し、０勝１敗、防御率２・９６。引退後は野球解説者を務め、広島、阪神のＯＢの金本知憲前監督の１年目の１６年に阪神の２軍投手コーチに就任、２軍育成コーチを経て、６年目の今季限りで退団した。

「変な話、阪神の２軍は勝つことも大事というチーム。投手のやりくりですごく頭を使った。だいぶん勉強をさせていただいたので、そういうところを生かせていけたらと思う」

広島は今秋のドラフト会議で左腕の黒原拓未投手（同１位、関学大）と森翔平投手（同２位、三菱重工Ｗｅｓｔ）をダブル指名。今季は床田、高橋昂、玉村ら有望な左腕が台頭しており、日本とメジャーを知る男が左腕王国を作り上げる。